第175回 化粧品の感触
化粧水や乳液などによくある『しっとりタイプ』『さっぱりタイプ』。あなたはどんな基準で選んでいますか?
乾燥肌には『しっとり』、オイリー肌には『さっぱり』といった肌トラブルの視点で選ぶ方が多いと思いますが、化粧品の感触に『心地よさ』を求めるのも、毎日のスキンケアをハッピーにする秘訣です。
日本人は欧米人に比べて『心地よさ』の感覚が敏感です。取り扱いブランドが多い大手化粧品会社のブースで好きな感触をリクエストして、本当に自分にあった化粧品を見つけてみてください。
第176回 香りの楽しみ方
シティリビングによるOLの香水使用の調査によると、「香水をつけない」の半数は「香水を知らない」「自分に合う香りが分からない」「周りの迷惑になる」など、けっして香りが嫌いではないことが分かりました。
これから香水にチャレンジしたい方は、とにかく自分が好きな、そして元気になれる香りを探してみてください。香りで元気になったあなたが、周りの人も幸せにできるのはとても素敵なことだと思います。
周りの迷惑が気になる方は、少量を脇腹だけにつけることをお試しください。香水は自己表現のためだけにあるものではありません。もっと気軽に香りを楽しんでみてください。
第177回 オーランチオキトリウム
筑波大学の渡邊教授のチームが発見したオーランチオキトリウムはオイルを産生することができる藻類で、石油に代わるバイオ燃料として注目されています。
産生されるオイルの主成分はスクワレンで、サプリメントでは深海鮫からとれたものが使用されています。また化粧品で人気のスクワランはスクワレンから合成されたものです(第31、32回参照)。
霞ヶ浦の広さの連続培養システムがあれば日本の石油必要量を補える夢の研究によって、スクワレン、スクワランの商品も安く入手できるようになればいいですね。
第178回 エステティックグランプリ
エステ業界の質の向上と信頼の回復を目的として、第1回エステティックグランプリが開催されています(全国255店がエントリー)。
予選は覆面モニターによって接客、施術など約50項目がチェックされ、2/16の決勝大会に向けて20のモデルサロンが選出されています。
ホームページには予選総合ランキングも掲載されているので、エステを検討されている方はお近くのサロンの評価をチェックしてみてください。
エステティックグランプリ
http://www.esgra.jp/
第179回 低価格化粧品
高価格商品と低価格商品の二極化が進む国内化粧品市場で、今年も化粧品大手による低価格商品の投入の動きがみられます(第155回参照)。
2/3には『肌研』から保湿+UV下地の『ヒアルロンUV』と、保湿+UV下地+ファンデの『ヒアルロンBB』が発売されました。3/18にはカネボウからオールインワン保湿液『潤(うるり)』が発売されます。
低価格商品への消費者の移行を防ぐために、中価格商品を扱う化粧品大手が値下げをする動きもあります。化粧水は低価格のものをたっぷりと使い、クリームにはお金をかけるような買い方もおすすめです。
第180回 マッサージクリーム
4/22にポーラのエイジングケアの高級シリーズ『B.A』から、『ザ マッサージクリーム』が発売されます。クレンジング、洗顔後に使用することで、化粧水などの効果がでやすくなるように肌を整えます。
他社のマッサージクリームでも血液やリンパの流れはよくなりますが、油分が多いものやシリコンが含まれるものだと、逆に化粧水が肌になじまなくなるので注意が必要です。
マッサージクリームの効果はマッサージ方法によって大きく変わります。こういったアイテムはとにかくブースで体験してみることをおすすめします。
第181回 エステティックグランプリ決勝結果
2/16の第1回エステティックグランプリの決勝大会で、グランプリエステティシャンにフラーム・デ・フルール渋谷店の新山英恵さん、サロンプレゼンテーション金賞に仙台市のミルククラウンが選ばれました。
ミルククラウンのフェイシャルコースは一般的な『塗る・つける』ではなく、沖縄式の『洗う・はがす』がメインになっています(洗顔→温パック→ジェル洗顔→温パック→ジェル洗顔→ジェル鎮静)。
沖縄式のジェル洗顔に興味のある方は、カミヤマ美研販売の商品『顔を洗う水』をチェックしてみて下さい。
http://www.kb-hanbai.com/cp/
第182回 スキンケア仕様の医薬品
資生堂は化粧品や医薬部外品では解決できない肌トラブルに対応するOTC医薬品ブランド『IHADA(イハダ)』を立ち上げ、本日よりドラッグストア、薬局で『イハダ プリスクリードD』の販売を開始しました。
医薬品は効果があっても使用感がよくないといった傾向がありますが、『イハダ プリスクリードD』は使用感のよい乳液状のエッセンスで、肌に塗った後でも化粧が楽しめることが最大の特長です。
有効成分のウフェナマートは比較的安全性の高い抗炎症成分です。取り扱い店舗には資生堂の研修を修了したアドバイザーがいるので、お試しになりたい方はまずは相談されることをおすすめします。
第183回 肌の黄グスミ
加齢によって肌が黄色くくすんでしまうのは、糖化タンパクの蓄積や血行不良などの原因が考えられますが(第149〜153回参照)、資生堂の研究によって肌の黄グスミの新しいメカニズムが分かりました。
紫外線ダメージなどで発生した脂質の分解物と真皮のタンパク質が結合すると、黄色に変色してしまいます。これが肌の黄グスミを引きおこし、40代より増えていくことが確認されています。
紫外線は3月から4月にかけて急激に増えますので、肌のクスミ対策のためにもUVカットを心がけてください。
第184回 洗髪時の節水
東日本の大地震をきっかけに節電、節水の心がけが広がっています。今回は洗髪時の節水のアイデアを紹介します。
○洗面器にはったお湯で髪と頭皮をよく濡らす。
○少なめのシャンプーを泡立てネットで泡立てる。
○泡切れのよいエコタイプのシャンプーを使う。
○節水タイプのシャワーヘッドを使う。
○トリートメントは洗い流さないタイプを使う。
シャンプーの量を過剰に使わなければ、髪や頭皮への負担も少なくなります。ロングの方は思い切ってショートに挑戦してみてはいかがでしょうか。
第185回 スキンケア仕様の医薬品2
第182回のメルマガで紹介しました資生堂の『イハダ プリスクリードD』につきまして、お問い合わせがありましたのでもう少し詳しく解説します。
資生堂と岡山大学医学部との共同研究で、皮膚の炎症の原因物質が解明され、OTC医薬品に配合されているウフェナマートによってこれが抑えられることが確認されました。
この物質がアトピーや乾癬の皮膚だけでなく敏感肌でも増えていることに着目した資生堂は、肌トラブルで悩んでいる人向けに、一般的な塗り薬ではなくスキンケア仕様の医薬品を開発したのです。
ただし『イハダ プリスクリードD』を化粧品のように漫然と使用するのは好ましくないので、店舗のアドバイザーに必ず相談した上でお試しください。
第186回 春冷え対策とボディケア
東京都内で働く女性会社員の約7割は『春冷え』を実感しているとの調査報告があります。冷え対策としては『温かいものを食べる』、『お風呂に浸かる』が上位になっているようです。
気温が低くなると空気も乾燥しやすくなるので、お風呂を冷え対策だけでなくボディケアの時間としても活用してみてはいかがでしょうか。
入浴直後は体が温まってますので、ボディ乳液やオイルの『のび』と『なじみ』がよくなります。ポイントは肌が濡れた状態で(タオルで体を拭く前に)製品を使用することです。
花王の『ビオレボディデリ』や『エモリカ』など、お風呂でボディケアを楽しめるアイテムで、『春冷え』のシーズンも元気におすごしください。
第187回 目の紫外線対策
日本での紫外線量は5月から8月にかけてピークになります。紫外線は肌の老化だけでなく白内障も引きおこす可能性があります。今回は意外と見過ごされている目の紫外線対策について解説します。
目の紫外線対策としてはやはりサングラスが有効ですが、視界が暗くなると瞳孔が開いてしまうので、UVカット効果のあるものを使用しないと、かえって紫外線に曝されてしまいます。
長時間の外出時はつばの広い帽子がおすすめです。UVカットサングラスとの併用で直射日光と反射日光をブロックできますし、髪の紫外線対策にもなるので一石二鳥です。
第188回 PMSを改善する香り
カネボウと奈良教育大学の共同研究により、サフランの香りがPMS(月経前症候群)によるストレスを緩和し、ホルモンバランスを調整することが分かりました。
香りによる効果だけでなく、これより前に、表皮細胞のヒアルロン酸合成を促進させるスキンケア効果も確認されています。
このサフランの香りは雌しべからだけでなく花全体から抽出されたものです。ミラノコレクション2010の香水(限定品)にも使用されていましたので、興味がある方はカネボウのブースで相談してみてください。
第189回 放射性物質の化粧品への影響
福島の原発事故で放出された放射性物質による国内製造の化粧品への影響につきましては、現時点のレベルでは問題ありません(情報の更新がありましたらメルマガで随時報告します)。
化粧品は大気中のほこりが入らない環境で製造されます。また、製造に使用する水道水に規制値の放射性ヨウ素が含まれていたとしても、使用する化粧品の放射線量は自然界から浴びるよりはるかに少なくなります。
中国では震災前に製造された日本製の化粧品が品切れ状態で、震災後は欧米製の化粧品が売れているようです。国内ではこんなことがないように、欲しい商品を純粋に選んでください。
詳細情報:日本化粧品工業連合会
http://www.jcia.org/
第190回 表情筋エクササイズ
資生堂の研究によると、55~65才の女性モニターにおいて、笑顔の表情が大きい程、美しく、若々しい印象を与えることが分かっています。また、笑いによって免疫力が活性化することも報告されています。
表情筋の動きを止めて笑いジワを防ぐボトックス治療がありますが、表情筋が衰えるとうまく笑顔が作れなくなって、かえって老けた印象になってしまいます。
日常の中で共感力をもって泣いたり笑ったりすることが、一番の表情筋エクササイズです。うまく笑えない方は、鏡を見ながら人差し指で口角を下から上に上げることから始めてください。
第191回 消臭機能フレグランス
ポーラより5/13にメンズフレグランスシリーズ『Mergence(マージェンス)』が発売されます。全アイテムに仏香料会社ロベルテの機能性香料『ニュートラル』が使用されています。
『ニュートラル』は汗や皮脂由来の男性特有のニオイを抑えます。製品は『身近な男性につけて欲しい香り』として、ロベルテの女性調香師との共同開発のもと、シトラスマリーン調になっています。
ボトルもお洒落なので、父の日にさりげなくプレゼントしてみてはいかがでしょうか。くれぐれも加齢臭対策に…なんて言わないようにしてくださいね!
第192回 ジューシーチューブ
5/13にランコムと前衛芸術家の草間彌生氏とのコラボによるリップグロス『ジューシーチューブ』が限定発売されました(6色、各2,415円)。
美味しそうな香りで人気の『ジューシーチューブ』に、草間氏のアーティスティックでキュートなパッケージデザインがプラスされて、持っているだけでハッピーになれそうなコスメです。
こんなドキドキ、ワクワク感があるからこそ、化粧品は女性を輝かせてくれるのだと思います。「恋する唇とハートに、ハッピーアロマのお守りを。」素敵なキャッチコピーですね。
第193回 悠香製品自主回収
悠香のお茶石鹸『茶のしずく』の自主回収が、厚生労働省より5/20に報道発表されました。製品に含まれる加水分解コムギ末による運動誘発性アレルギー(第165回参照)の報告が増えているようです。
加水分解コムギ末を含む製品の連用で小麦に感作しても、症状が軽いので見過ごしやすく、小麦摂取後の運動による重篤な症状で初めてアレルギーに気づくケースが多いようです。
加水分解コムギ末は石鹸やシャンプーの泡立ちをよくするために使われることが多いので、製品の成分表示を必ず確認するようにしてください。
第194回 悠香製品自主回収2
今回の運動誘発性アレルギーは、加水分解コムギ末が含まれる石鹸を連用することで小麦に感作され、その後、食べた小麦タンパクとの交差反応(+運動)で起こることが疑われています。
呼吸困難など重篤な症状の運動誘発性アレルギーばかりが注目されていますが、化粧品によって小麦に感作していることに気づいてない人が、かなりいるのではないでしょうか。
加水分解コムギ末はこれまで普通に使用されてきた成分なので、悠香だけが悪い訳ではありませんが、化粧品業界や厚生労働省は注意喚起だけでなく、もっと問題の本質に取り組むべきです。
第195回 化粧品業界のトレンド
5/25~27にパシフィコ横浜で開催された第5回化粧品産業技術展を視察してきました。2年に一度の展示会で、化粧品技術者・研究者が最新の原料・技術情報を入手するために集まります。
今回の展示会で多かったキーワードは『抗糖化』、『植物性』、『エコサート認証』でした。『抗糖化』はアンチエイジングのメインアプローチとして、しばらく続きそうですね(第152、169回参照)。
これまで化学合成品だったものが『植物性』になり、オーガニックの『エコサート認証』を取得する原料が増えています。今後、一部の原料だけでなく製品全部がオーガニックの化粧品が増えることが予想されます。
第196回 洗濯物の生乾き臭
衣類やタオルをよく洗ったにもかかわらず、使用し始めると発生する雑巾様臭は一般的に生乾き臭と呼ばれ、特に湿度が高く部屋干しの多い梅雨時期は、公衆エチケットとしても気をつけたいものです。
花王の研究によると、この臭いは洗濯後も衣類やタオルに残るモラクセラ菌がつくり出す脂肪酸によるもので、この菌を抑え、生乾き臭を消臭する『アタックNeo抗菌EXパワー』が7/19に発売されます。
不快な生乾き臭が解決することはよいことですが、通常ヒトの粘膜に存在するモラクセラ菌が、どうして生活環境の中に多く存在するようになったのか、花王にはそのあたりも研究してもらいたいですね。
第197回 頬に現れるエイジング
ポーラ化成工業の研究で、加齢とともに頬の見た目が変化することが分かりました。小鼻からこめかみに向かう斜めラインの肌密度が低下すると、そのラインと垂直方向にしぼみ感、たるみ毛穴などが発生します。
またカネボウ化粧品の研究によると、女性のときめき顔には『口角が上がっている』、『頬が上がっている』、『目袋(涙袋)がふっくらしている』という共通点があるようです。
日常生活でも、メークやスキンケアをする時でも、少し頬を意識することで印象が変わるのではないでしょうか。
第198回 肌のリンパ管の機能低下
リンパ管は不要な水分や老廃物を回収する重要な器官です。肌のリンパ管は真皮層にあり機能が低下すると、むくみだけでなく老廃物による真皮層へのダメージ(しわ、たるみ)が発生します。
日本メナード化粧品や資生堂の研究によって、紫外線がリンパ管の形成を阻害し、リンパ管をもろくさせることが確認されています。同時にリンパ管の形成を促進させる成分の研究も進んでいます。
リンパの流れをよくするためにはマッサージが効果的ですが、リンパ管自体のために紫外線対策も心がけてください。
第199回 夏場の入浴と睡眠
暑い夏にはシャワーで入浴を済ませる方が多いと思いますが、バスクリンの研究で就寝前の浴槽浴がシャワー浴より良質な睡眠が得られることが確認されました。
浴槽浴では入浴直後の深部体温が高くなりますが、就寝前までには深部体温と集中力がメリハリをもって低下し、睡眠時の心拍数の低下、起床時の覚醒感なども良好な結果となっています。
クールタイプの入浴剤を使用すると入浴直後に爽快感が得られます。節水対策のため、また、節電モードで寝苦しい夜を少しでも快適にするためにも、就寝前の浴槽浴をおすすめします。
第200回 I LOVE コスメ 2
当メルマガ『本物コスメの目利き力』が200回目を迎えることができました。皆さまの応援に感謝いたします。
震災以降、メルマガだけでなく、コンサルタントという仕事についても、ずっと自問してきました。私はプロフェッショナルとして何ができるのかと。
ライフラインが復旧していない状態では、化粧どころではありません。ただ、復興の中で化粧は女性を元気にしてくれました。そしてその女性の笑顔が地域に計り知れない力を与えてくれています。
女性が化粧でキレイになることはエゴではなく、周りも幸せにする素敵な魔法なのです。これからも魔法のお手伝いができるような情報をお届けすることができればと思っています。
第201回 『茶のしずく』によるアレルギー
問題となっているアレルギーは、『茶のしずく』に含まれる加水分解コムギ末が原因で、もともとアレルギー体質でない方でも発症しています(第165回、193回、194回参照)。
しかるべき医療機関で検査をすると、アレルギーが食品の小麦によるものか、『茶のしずく』によるものかはっきり分かります。
詳細情報
http://www.allergy.go.jp/allergy/flour/index.html
花粉症と同じで、一度、アレルギーになってしまうと完全に治すことは困難です。『茶のしずく』の使用中に眼や顔の腫れ、かゆみ、鼻炎症状があった方は、きちんと検査されることをおすすめします。
化粧品で全身性のアレルギーが発症することが想定外であったとしても、起こったことに関しては悠香も業界も事をうやむやにせず、しっかり対応していくことを求めます。
第202回 首とデコルテの加齢変化
カネボウ化粧品の調査研究により、首とデコルテの加齢変化には2つのターニングポイントがあることが確認されました。
第1のターニングポイントは40~50代で、肌の明るさや皮脂量が減少し、首のシワの本数や深さが増加し始めます。
第2のターニングポイントは50~60代で、それまで見られていた二重あごが急激になくなり、皮膚がたるんで下あごの形態が大きく変わります(あごと首の間のくびれが全くない状態です)。
首とデコルテも紫外線ケアが基本です。また顔に比べて血流量が少ないので、日々のマッサージがとても有効です(第146回参照)。
第203回 乾燥による小ジワを目立たなくする
化粧品に『乾燥による小ジワを目立たなくする』という新効能が追加されました(第157~159回参照)。これは保湿による効果で、小ジワ自体を解消、予防するものではありません。
新効能は日本香粧品学会のガイドラインに準じた効果の確認試験をおこなった製品でのみ使用できます(同時に『※効能評価試験済み』と表示することが決められています)。
既存商品でも新効能のレベルに達しているものはたくさんあります。一方で、客観的な根拠がないのに、小ジワ自体の解消、予防を平気で訴求するケース(薬事法、景品表示法違反)があるのも事実です。
『小ジワ』を訴求しながら、『※効能評価試験済み』を表示していない、また、表示していても販売会社が確認試験の概要の開示を拒むようなことがあれば、その商品はニセモノと判断してください。
第204回 化粧品発想の台所用洗剤
ライオンリビングケア研究所の研究により、食器を洗う時に感じるストレスは、キッチンに漂う食材臭と食後の満腹感により増大すること、また、台所用洗剤に含まれる香りがそれを軽減することが分かりました。
研究に使用されたのは天然のオレンジオイルで、ライオンから11月に発売される『CHARMY 泡のチカラ』ではオレンジの他、ローズ、アップルのバリエーションが選べます。
また、11月より台所用洗剤の成分情報が開示されるようになります。今後、機能性や安全性に優れた商品が増えていけば、キッチンの時間も楽しくなりそうですね。
第205回 アトピー肌のバリア機能
資生堂、相模女子大学、北里大学、東京医科大学の共同研究で、もともと肌にあるNMF(アミノ酸、乳酸、尿素などの保湿成分)の産生に『ブレオマイシン水解酵素(BH)』が関わっていることが分かりました。
BHの活性が高いとNMFが増え、肌から水分が逃げにくなります。BHは加齢とともに活性が低下し、アトピー性皮膚炎の肌ではほとんど存在しないことも確認されています。
アトピー肌の保湿にはセラミドの塗布が有効ですが、BHは肌のバリア機能そのものを改善してくれそうです。この研究が実用化されて、一日も早く画期的な商品が供給されることを願います。
第206回 夏の化粧くずれ
夏の暑さに加えて雨で湿気が多くなると、汗や皮脂でどうしても化粧くずれがおきてしまいますので、くずれても目立たないようにファンデーションはうすくつけることがポイントです。
化粧くずれがおきた時はクレンジングしてメーク直しするのが一番ですが、うすづきであれば、あぶらとり紙で皮脂をオフしただけでも、見た目の印象がよくなります。
室温が上がれば皮脂の分泌も多くなりますので、ファンデーションをきれいにうすづきさせるためにも、メークはできるだけ涼しい環境でおこなってください。
第207回 女性のひげ
あるエステサロンが実施した20~40歳代の女性600人を対象とした調査で、体毛の気になる部分として『ひげ』と回答した人が46%にのぼることが分かりました。
処理方法としては『そる』が一番多いようですが、連続的に過剰な刺激を皮膚に与えると体毛が一時的に濃くなるという動物実験もありますので、皮膚を傷つけないためにも優しくそることがポイントです。
脱毛ローションやクリームは『効果がない』、もしくは『効果があるが皮膚刺激がある』のどちらかなので、顔への使用は基本的におすすめしません。
第208回 加齢と体型の維持
ワコール人間科学研究所が実施した40~60歳の女性の30年間の追跡調査によると、体型を維持できている人が25%で、その中の約過半数がガードルなどの機能性ボトムを使用していることが分かりました。
機能性ボトムは体内部の組織の結合が重力方向にゆるむのをおさえてくれます。また、早歩きや歩幅を大きくするなどで足腰の筋肉が衰えるのを防ぐのも、体型維持のためのポイントです。
ボディケアで毎日体型をモニターすることも有効ですが、体に意識を向ける時に『たるんだらどうしよう…』は『たるむ』の暗示になってしまいます。鏡に向かう時はポジティブに!が基本です。
第209回 低価格化粧水の選び方
オリコンDDが20代~50代の女性1,176人を対象に実施した1,000円以下の化粧水(専科、ちふれ、ハダラボ、ピュアナチュラル、なめらか本舗)の使用テストで、評価が高かった商品を紹介します。
うるおいの持続性→専科
保湿力の高さ→専科
肌にやさしい→ハダラボ
肌なじみの良さ→ちふれ
つけ心地のよさ→ちふれ
浸透力の高さ→ちふれ
実力の専科、感触のちふれといった感じですね。いずれもコストパフォーマンスの高い商品なので、スキンケアする時の肌のコンディションや朝夜で使い分けしてみるのもいいですね。
第210回 柔軟剤の香り
近年、香りを楽しむ衣類用柔軟剤が増えています。ライオンが2010年に実施した主婦に対する調査では、自分から香りを漂わせたい時に使用するものが1位柔軟剤、2位ヘアケア商品、3位香水となっています。
いわゆる『石けんの香り』的な、日本人の清潔志向によるところも大きいと思いますが、柔軟剤には非常に残香性の高い香料が使用されているので、逆に周りに嫌な思いをさせてしまうケースもあります。
無香料の商品は種類が少なく、価格が高いのが難点です(ベビー用など)。衣類用洗剤の国内大手メーカーには柔軟剤の香りが苦手な方や、香水で香りを楽しみたい方にも対応してほしいですね。
第211回 ネイルケアのすすめ
空気が乾燥してくると二枚爪など爪のトラブルがでやすくなります。爪をのばしたりマニキュアやリムーバーを使うことも原因と思われがちですが、美しい爪を目指すことはトラブル防止にもつながります。
まずはネイルサロンで爪をきれいな形に整えてもらうことをおすすめします。理想的な美しい爪は強度も高く、さらにそれを維持したいという意識も働くので、爪で乱暴な作業をしなくなります。
手の爪は1ヶ月で3mm程度のびるので、数ヶ月で新しい爪に生えかわります。乾燥する秋冬にこそネイルケアに挑戦して、美しく強い爪を手に入れてください。
第212回 スキンケアへの期待と実感
ポーラ文化研究所が実施した15~64歳の女性1,500人の実態調査によると、スキンケアに対して期待が高く、実際に効果を感じている項目は『潤いを与える』『カサつき・乾燥を防ぐ』でした。
一方、期待の高さに対して実感が得られていないのは、『美白・ホワイトニング効果がある』『ハリを与える』『シミを防ぐ』『毛穴を目立たなくする』『シワを防ぐ』などのアンチエイジング効果でした。
効果を期待するのは売る側がアピールするからです。特にネットでは過激な表現の広告をよく見かけますが、こういった商品がアンチエイジング効果の満足度を下げているものと思われます(第203回参照)。
第213回 洗顔料の安全性
ほとんどの洗顔料には皮脂汚れなどを落とすために、油と水、両方になじむ界面活性剤が配合されています。安全性に問題があるように言われたりしていますが、界面活性剤の研究はかなり進んでいます。
洗顔料としての洗浄力を維持しながら、『肌に残らない(浸透しない、吸着しない)』『肌に作用しない(肌を膨潤させない、肌の水分量、キメを維持)』をクリアした原料も開発されています。
天然、オーガニックには優しいイメージがありますが、本当に安全性が検証されているのか、これからは消費者が販売会社に求めていく姿勢も大事だと思います。
第214回 秋冬のかかとケア
空気が乾燥してくると、かかとが角質肥厚(角質が分厚い状態)になりやすく、かさつきやひび割れでお悩みの方も多いと思います。角質肥厚は加齢や疲れ、ストレスなどでもおこりやすくなると言われています。
角質肥厚のかかとをファイル(やすり)で削る場合は、お風呂上がりではなく必ず乾燥した状態でおこないます。ファイルは上から下の一方向にかけ、最後に油分の入ったクリームなどで保湿をしてください。
かかとのケアをしても改善しない場合は、角化症や水虫の可能性もあるので、皮膚科医に相談されることをおすすめします。
第215回 肌の色の変化
秋の肌は、夏の紫外線のダメージによるメラニンの蓄積、気温の低下による血行不良によって、夏の肌より黄みが強くなります。
また、女性の肌は生理周期においても血流の影響によって、月経後の卵胞期にはやや黄みがかった色に、排卵後の黄体期には赤みをおびた色になります。
自分の肌の変化を知り、メークの色味を変えたり、スキンケアにマッサージをとりいれたりしてみてください。肌のくすみが気になる場合は、ふきとり用化粧水で古い角質を取り除くのも効果的です。
第216回 アートメイクの危害
10/27に国民生活センターからアートメイクの危害について公表がありました。アートメイクは皮膚に針等で色素を入れるもので、日本では医師法により医師免許を持たない者が施術をしてはいけません。
報告されている危害は眉やアイラインといった目の周囲が多く、化膿したり角膜に傷が入ったりする深刻なケースもあります。色素はレーザーでも容易にはとれないのでイメージが違ったら取り返しがつきません。
アートメイクは価格が高くても必ず医療機関で受けてください。ただし、メイクテクニックをもった医師が日本にどれだけいるのか考えると、やはり化粧品によるメイクを楽しむことをおすすめします。
第217回 イオン コスメーム
11/3にイオンレイクタウン(埼玉県越谷市)に、海外のコスメティックブランドを集めたセレクトショップ『コスメーム』がオープンしました。
『世界一流のハイエンド化粧品を暮らしのそばで』をテーマに、シャネル、クラランス、ヘレナ、ランコム、ディオールなどの化粧品を、自由に試して比べながら購入できます。
今後、札幌、仙台、東京、名古屋、大阪、福岡を中心に、イオンの店舗や駅ビル等に出店していくようです。高級ブランドが気軽に試せることで、化粧品の楽しみ方が増えるのではないでしょうか。
第218回 コミュニケーションツールとしてのメイク
カネボウ化粧品の研究で、『話しやすい』印象を与える化粧顔は、他人の注意を引きつけることが分かりました。
具体的には女性からは『かわいい』『さわやか』、男性からは『魅力的』『かわいい』が『話しやすい』化粧パターンになるようです。
また、自分と似た化粧パターンには『好き』という印象が高くなるようです。メイクもコミュニケーションツールとして積極的に使ってみてはいかがでしょうか。
第219回 ハンドマッサージ
手をマッサージすると、その部分だけでなく顔やデコルテの血流も上がり、肌があたたまることが資生堂の研究で確認されています。
また、ヘッドマッサージによっても、顔や手など他の部位の温度が上がることが確認されています。
この季節、せっかくハンドクリームを塗るなら、手荒れだけでなく全身の冷えや顔のくすみの改善をイメージして、積極的にマッサージすることをおすすめします。
第220回 歯ぐき下がり
歯ぐきのラインが下がっていると実年齢より8歳も老けて見られることが、小林製薬の調査で分かりました。また40代以上の女性の約45%が歯ぐき下がりを実感していることも報告されています。
歯ぐき下がりの原因は主に歯周病なので、気になる方は歯医者さんで診てもらうのが確実です。予防のためには小林製薬の『トマリナ』のような歯ぐき下がりを防ぐハミガキを使うのもおすすめです。
携帯やデジカメで定期的に『ニッ』と笑ったセルフ画像を撮ることを、アンチエイジングの習慣にしてみてはいかがでしょうか。
第221回 化粧品の安全性テスト
空気が乾燥すると肌のかゆみなどのトラブルも増えてきますので、あらためて化粧品の安全性テストについて解説します。
1.パッチテスト済み
化粧品を被験者に1回だけ閉塞塗布した場合の皮膚刺激の確認
2.アレルギーテスト済み
化粧品を被験者に繰り返し閉塞塗布した場合の皮膚刺激の確認
3.スティンギングテスト済み
化粧品を刺激感受性の高い被験者に塗布した場合の感覚刺激の確認
化粧品の成分は製造販売元の責任で基本的に自由に配合できますが、悠香のようなケースを防ぐためにば、安全性テストについての法制化が必要なのかもしれませんね。
第222回 頬の凹凸
ポーラ化成工業の研究で、頬に細かい凹凸が増えると、シミ、シワ、たるみがなくても老けた印象に見られることが分かりました。
この頬の凹凸は角質細胞の内部に張り巡らされている繊維状の構造体の乱れによるもので、ウルソール酸RD(ポーラオリジナル成分)に効果があることも確認されています。
スキンケアも大切ですが、頬の肌をなめらかに見せるメイクも有効です。ファンデーション等を購入する時に美容部員にあなたの肌にあったテクニックを教えてもらってみてはいかがでしょうか。
第223回 プラズマクラスタードライヤー
12/2にシャープより『プラズマクラスタードライヤー』が発売されました。プラズマクラスターには髪の保湿、弾力性向上、キューティクルの引き締め、静電気防止等の効果が確認されています。
また、50℃の温風で髪の主成分であるケラチンを変性させず、べたきの原因となる地肌の余分な水分もじっくり乾かせるモードが付いた機種もラインナップされています。
プラズマクラスターもパナソニックのナノイーも、健康面、美容面での効果が期待できますので、今後、長期間使用での安全性も確認してほしいところです(安全性の情報はメーカーホームページにあります)。
第224回 要介護者の自立と化粧
資生堂が横浜市の介護老人保健施設で、毎日2回の肌のお手入れ(セルフ)と月2回のお化粧教室を3ヶ月間継続したたところ、要介護者の日常動作の自立度が向上したことが確認されました。
具体的には平均年齢85.9歳、13名の要介護女性において握力が改善し、手すりをつかめるようになる等、日常生活の自立度がアップしています。
化粧行為が上肢の筋肉や関節の運動になったようです。キレイになることが日常生活の自立支援や介護者の負担軽減につながるのは素敵なことですね。