化粧品・健康食品の商品開発コンサルティング&OEM企画

有限会社ビ・ムーブ 化粧品販売コンサルティング、健康食品販売コンサルティング、化粧品OEM製造、健康食品OEM製造

東京都港区南青山2丁目2番15号 Win Aoyamaビル 917

TEL 03ー6271ー8759(平日 9:00〜18:00)


HOME | メルマガ バックナンバー 2009年

第49回 過乾燥

今回から美容の豆知識をお届けしていきます。

過乾燥とは、肌が濡れた状態のままでいると、水分の蒸発とともに肌の水分まで奪ってしまう現象です。洗顔後やお風呂上がりに肌がつっぱる…あれです。

過乾燥を防ぐには、お風呂上がり後、すぐに化粧水を使用してください。また、その約1分後に油分が配合されている乳液やクリームを使用してください。この季節、これだけでも保湿効果がアップしますよ。

第50回 ヒアルロン酸の自己注射

1/10にヒアルロン酸の自己注射による後遺症の報道がありました。
http://m.mainichi.jp/kiji.php?NewsItemId=20090111p1500m040063000c&

皮下にひきつれが起きる後遺症(異物肉芽腫症)が報告されていますが、粗悪な原料であれば、ショック死する可能性もあります。

もともと肌にある成分だからといって、ネットなどで入手した美容原料を、安易に飲んだり、塗ったりしないでください。自己注射なんて絶対にダメです。

第51回 超高級化粧品

40gで12万6千円…これ、美容クリームの価格です。ここ3年で2万円以上のスキンケア商品の販売高は約24%アップしたといわれています。

超高級化粧品は高価な原料をふんだんに使用しているので、確かに効果のレベルが違います。ですが、化粧品技術者として言わせてもらえれば、グラム単価が金より高いなんて、明らかに適正価格を超えています。

それだけの技術を持っているのだから、もっとたくさんの女性をキレイにしてあげたらいいのにですね…

第52回 肌の乾燥と加湿

『空気も肌もうるおいを』

最近、肌の保湿をうたった加湿器が増えています。一般的に湿度が50%以下になると、肌は乾燥しやすくなるといわれています。とはいえ、加湿による結露でカビが生えるのも心配ですよね。

肌の乾燥を防ぐために湿度を維持することは大切ですが、50%という数字に敏感になる必要はありません。肌やのどの乾燥感、結露のレベルをチェックしながら、ご自分の最適な湿度をみつけてみてください。

第53回 肌理

今日のタイトル、読めますか?

先日、テレビの漢字検定クイズで、間違いやすい読み漢字として出題されていました。答えは『キメ』です。

皮膚の表面を拡大して見ると、溝で区切られたひし形や三角形、多角形の紋様が確認できます。これがキメです。規則正しいキメは肌を美しく見せてくれますが、この溝の役目はそれだけではありません。

溝が交差したとこには毛穴があります。皮脂はそこから分泌され、溝にそって広がることで皮脂膜を形成していきます。うまくできていますよね。

第54回 回復皮脂

肌の表面の皮脂膜は洗顔やクレンジングによって洗い流されてしまいますが、しばらくするともとの状態にもどります。これは毛穴の中にあらかじめリザーブされた皮脂(回復皮脂)によるものです。

ですが、皮脂膜がもとの状態にもどるまでには、正常な肌でも約2〜3時間はかかります。男性より皮脂の分泌が少ない女性は、その間、どうしてもスキンケアが必要になります。

皮脂は『あぶら分』なので、温度の低い冬では流動性が悪くなります。過乾燥(第49回)を防ぐためにも、お風呂上がりの肌には、うるおいだけでなく油分も補給してあげてください。

第55回 雪焼け

ゲレンデのコンディションがよいこの時期に、スキーやスノボを計画される方が多いと思います。12〜1月は年間でもっとも紫外線が少ない時期ですが、雪焼けには注意が必要です。

紫外線は標高が高くなるほど多くなります。また、真っ白なゲレンデは効率よく紫外線を反射させます。ビーチの砂浜でさえ15〜20%の反射率なのに、ゲレンデの反射率はなんと80〜90%です。

この週末、雪山にお出かけの方は、直射日光と反射紫外線で両面焼き…とならないように、UV対策をしっかりやってください。

第56回 リップケア

唇の表皮は他の部分よりも薄く、皮脂線もないので、乾燥によるダメージをうけやすくなります。荒れやすい方は、やはり冬場の前から予防的にリップクリームを使用するのが効果的です。

また、くすみでお悩みの方も多いと思います。唇の色は血液の色が透けて見えているのですが、唇の毛細血管は加齢とともに表面から見えにくい構造に変化してしまいます(直線状→点状)。

ただ、血行促進によって、くすみを改善することは十分可能です。唇の表皮は薄いので、リップケアコスメの効果もでやすくなります。血液サラサラ系のサプリや食品をとることもおすすめです。

第57回 リップケア 2

前回メルマガの『血液サラサラ系のサプリや食品』についてお問い合わせがありましたので、ここで紹介します。

血行促進が期待できる素材には、梅肉エキス、イチョウ葉エキス、DHA、EPA、ビタミE、ショウガ、ヒハツなどがあります。クエン酸を多く含むお酢もおすすめです。

また、唇の表皮は粘膜に近い組織です。ビタミンAやビタミンB2には粘膜を健康に保つ働きがあります。

第58回 女性の薄毛

近年、薄毛に悩む若い女性が増えています。育毛剤を試してみるのもいいのですが、今回はシャンプーのやり方を見直してみたいと思います。

シャンプーの目的は髪、毛穴の汚れを洗い流すことですが、使用量や回数を増やすことは、かえって髪にダメージをあたえてしまいます。

シャンプー前にはお湯だけで十分に洗うようにしてください。それだけで汚れの8割程は落とせます。シャンプーの泡立ちもよくなるので使用量を減らすこともできます。

毛穴に逆らう方向にマッサージをするように洗い、頭皮を洗い流す感覚で十分にすすぎをしてください。

第59回 女性の薄毛 2

女性の薄毛はパーマやカラーリングによる髪、頭皮へのダメージが大きな原因といわれています。ドライヤーの熱でさらに髪を痛めることもありますが、洗髪後はちゃんと髪を乾かすことが大切です。

濡れた髪は外部からの力に弱く、濡れたまま寝て、髪が枕や寝具で擦れてしまうと、キューティクルが剥がれやすくなります。

ドライヤーによるダメージを少なくするためには、髪から10cm以上離して、根元から乾かすようにしてください。また、最後に冷風をかけるとキューティクルがしまるので、髪にツヤがでます。

第60回 女性の薄毛 3

髪はケラチンというタンパク質からできています。よってダイエットによる食事制限も、若い女性の薄毛の原因と考えられます。

薄毛が気になる方は、ケラチンの合成に必要な鉄分、亜鉛を積極的に摂りながら、バランスのよい食事を心がけてください。また、肌と同じで、髪にとっても睡眠は大切です。

年齢とともに地肌が透けて見えてくる壮年性脱毛症については、リアップレディ(医薬品)などの育毛剤の使用と、頭皮マッサージをおすすめします。

第61回 コンビが化粧品販売

ベビー用品大手のコンビが4月より化粧品の販売を開始します。『肌につける自然食』をコンセプトに、食品由来成分を高濃度配合した商品を展開するようです。

富士フィルムやヤマダ電機など、近年、異業種大手の化粧品参入が増えていますが、本業への影響もあるので、商品は無難な路線が多いです。その点でコンビはユニークなコンセプトをうちだしてきています。

ヤマダ電機ではまだ店頭販売はされていないようですが、いずれは『家電を購入したポイントで化粧品をゲット』といったパターンを狙っているのでしょうね。

第62回 肝斑(かんぱん)

シミにはいくつかのタイプがありますが、その3割以上が肝斑ではないかとの調査報告があります。

肝斑は女性ホルモンのバランスが影響していると考えられています。30〜40歳代の女性に多く、閉経とともになくなる傾向があります。ほほ骨、額、口あたりに左右対称で、もやっと広がるのが特徴です。

紫外線によって悪化するので、冬場には薄くなります。3月から紫外線が増えてくるので、気になる方は、今からご自分のシミの状態をチェックしてみてください。

第63回 肝斑(かんぱん)2

シミはそのタイプによって治療法が違います。肝斑はレーザー治療で悪化しまうので、別のタイプのシミと一緒にできている場合は、肝斑の治療を優先します。

肝斑の治療では医薬品のトラネキサム酸を1〜2ヶ月内服します。肝斑改善薬のトランシーノ(第一三共ヘルスケア)は薬局で購入できるので、薬剤師に相談してみるのもいいと思います。

気になる方は『かんぱんInformation(PCサイト)』も参考にしてみてください。
http://www.daiichisankyo-hc.co.jp/site_kanpan/

第64回 肌と睡眠

睡眠中には成長ホルモンが分泌され、肌の細胞を構成するタンパク質の合成がさかんになります。

成長ホルモンの分泌は22〜2時に上昇します。その中でも寝入りばな90分の深い睡眠(ノンレム睡眠)が肌再生のゴールデンタイムです。

成長ホルモンは成人以降10歳ごとに14%程度減っていくといわれてます。スキンケアとの相乗効果のためにも、あらためて早寝、早起きにチャレンジしてみてはいかかでしょうか。

第65回 肌と睡眠 2

いくら美肌のためでも、22時には寝られない…就寝時間が遅めの方は、寝付きをよくすることを心がけてください。

トリプトファンというアミノ酸を含む牛乳、ピーナッツバター、ツナ、ヨーグルトなどは、寝付きをよくする食品として推奨されています。

同じくアミノ酸であるアルギニンには、成長ホルモンの分泌を促進する作用があるので、夕食後にアルギニンのサプリメントを利用してみるのもいいと思います。

第66回 春先の肌トラブル

春先は寒暖の差が大きく、冬場少なかった紫外線が増えてくるので、肌の調子が不安定になりやすい季節です。普段は調子がいいのに、この時期、肌荒れなどでお悩みの方も多いのではないでしょうか?

スキンケアでは水分だけでなく油分の補給を心がけてください。オイルフリー派の方も、乾燥した部分には乳液やクリームを使ってみることをおすすめします。

入学式や入社式など、フォーマルな場所に出かける機会も多いと思いますが、肌荒れをかくすための厚塗りメークはNGです。下地を使用するとファンデがきれいに着き、クレンジングでの肌への負担も少なくなります。

第67回 今日のあなたのお肌は…

資生堂がおこなった25〜34歳の働く女性の肌意識調査で、肌の状態(自己採点)が、日曜日の73.8点を最高に、週末に向かってだんだん低下していくことが分かりました。金曜日はなんと61.0点です。

平日の就寝時間は24時以降が77.8%で、肌再生のゴールデンタイムに寝ることができていない現状が分かります(第64回参照)。

平日より睡眠時間がとれる土曜日には、肌の状態は68.1点まで回復します。不規則な生活リズムはNGですが、週の真ん中にちょっとだけ早く寝てみるのも、プラスになるのではないでしょうか。

第68回 喫煙と肌

大手化粧品会社の調査で、喫煙している人はそうでない人に比べて、5歳分相当のメラニン増加が進んでいることが報告されています。

これから紫外線も多くなっていくので、シミ、くすみを増やしたくない方は、UV対策だけでなくタバコを控えることをおすすめします。

どうしてもタバコをやめられないのであれば、喫煙によって破壊されてしまうビタミンCを意識して摂るようにしてください。

第69回 注目原料 VCエチル

新しいビタミンC原料『VCエチル』がブレイクしそうです。化粧品では『アスコルビルエチル』、医薬部外品では『3-Oーエチルアスコルビン酸』という表示名称になります。

従来のビタミンC原料に比べて、水に溶けやすく、高濃度で配合してもべたつきや乾燥感がありません(従来のビタンミンC原料は第24〜28回で解説)。効果と使用感のバランスのとれた処方設計ができます。

夏にむけて美白だけでなく、抗老化、毛穴、ニキビといった幅広いジャンルで、VCエチルを配合した商品が増えることが予想されます。気になる商品があれば、ぜひ試してみてください。

第70回 毛穴ケア

ここ数年、毛穴ケアのコスメが人気です。業界が仕掛けた部分もありますが、言われてみれば確かに…という方も多いと思います。ここでは毛穴のタイプ別に対策を紹介していきます。

毛穴が目立つ原因で多いのは、毛穴につまった角栓による黒ずみです。角栓は古い角質、汚れ、皮脂が混ざって固まったものなので、これを洗顔やパックで物理的に取り除くのが最も簡単な方法です。

また、角栓を溶かす成分が入ったスキンケア商品を使うことで、このタイプの毛穴はより目立たなくなります。

第71回 毛穴ケア 2

30代後半から目立ってくる…それが、たるみ毛穴です。加齢によって肌のハリが低下することで、丸い毛穴が楕円形になり、余計に開いて見えてしまいます。

毛穴は肌のキメの溝が交差するとこにあります(第53回参照)。溝に囲まれて盛り上がっている部分がうるおってふっくらとしていれば、毛穴は目立たなるので、まずは角質をしっかり保湿してください。

ただ、化粧品だけでたるみ毛穴を解消することはなかなか難しいので、気になる方はヒアルロン酸やコラーゲンのサプリメントを試してみることをおすすめします。

第72回 毛穴ケア 3

前回のメルマガで紹介したヒアルロン酸とコラーゲンのサプリに効果を求める場合は、1日に摂る量が重要になります。

製品中の配合量として、ヒアルロン酸は1日120mg以上、コラーゲンは1日6gから10g。探してみていただくと分かりますが、これを満たしているサプリは意外と少ないです。

たるみ毛穴がすぐに目立たなくなるものではありませんが、早い人なら1週間程度で化粧のノリの違いが分かると思います。

第73回 毛穴ケア 4

角栓、肌のたるみ以外で毛穴を目立たせてしまうものに、メラニンがあります。毛穴の内側にメラニンが発生すると、メラニンが毛に沿って並ぶような状態になり、外からは黒ずんで見えてしまいます。

このタイプの毛穴対策としては、やはり美白化粧品でメラニンの発生を抑えていくしかありません。時間はかかりますが、少しでも目立ちにくくなることは期待できます。

角栓、肌のたるみ、メラニン。これらが複合しているケースもありますので、ケアをしながらご自分の毛穴のタイプを理解することが大切です。

第74回 スティンギング

スティンギング(stinging)とは、化粧品を使用した時に感じる『ヒリヒリ』、『ピリピリ』、『チクチク』といった一時的な感覚刺激のことで、炎症はともないません。

頬での発生率が高く、乾燥肌、敏感肌、ニキビ肌の方が感じやすいようです。季節的には肌が乾燥しやすい春に発生しやすくなります。

パッチテストではスティンギングを確認することは難しいので、刺激を感じやすい方は『スティンギングテスト済み』と表示された商品のサンプルを試してみられることをおすすめします。

第75回 ほくろ取りの危害

4/9に国民生活センターより、ほくろ取りのエステや海外製のクリームの自己処理による危害について情報提供がありました(リンクはPCサイト)。
http://www.kokusen.go.jp/news/data/n-20090409_1.html

ネットで個人輸入されているほくろ取りのクリームには、植物系、漢方系のものがありますが、調べてみると、皮膚にかぶれをおこすウルシ科の植物や、毒性の強い植物が含まれているものがありました。

これらの商品は皮膚をかぶれさせてほくろを除去するものなので、やけど状になるのは当然です。ほくろは一般の人やエステシャンで処理できるものではないので、必ず皮膚科医に相談してください。

第76回 女性はどうしてメークをするのか

ポーラ文化研究所の調査により、女性がメークをする理由が、24歳以下の層では「自分に自信をもちたい」、30歳以降の層になると「紫外線から肌を守りたい」がトップであることが明らかになりました。

また24歳以下の層では、メークの所用時間が全体平均より長く、それと連動して使用アイテム数も増えています。やはりメークへのポジティブな気持ちが結果にあらわれているようです。

とはいえ、30歳以降の層のメークの所要時間も約16分と短くはありません。紫外線防御はファンデがちゃんとやってくれます。この時間をどんな気持ちですごすのか、そこにキレイの秘密があるのではないでしょうか。

第77回 女性はどうしてメークをするのか 2

1回(58.5%)
2回(20.2%)
0回(15.7%)

これは女性の1日の化粧直し回数のトップ3です(ポーラ文化研究所調査より)。メークの所用時間の調査結果と同様に、メークが好きな人ほど化粧直しの回数が多いという結果もでています。

メークが面倒な方、1日の化粧直しが少ない方は、今日から1ヶ月間、1日3回以上の化粧直しを続けてみてください。最初は意識して鏡を見るだけでもOKです。きっと自分の気持ちや周囲の変化に気づくはずです。

第78回 男性の魅力をアップさせる香り

ライオン調香技術センターの研究で、男性の声の魅力度をアップさせる香りがあることが分かりました。

低い声の男性はフローラル・スイート調、高い声の男性はストラス・ムスク調の香りによって、声の『爽やかさ』がアップします。さらに、その声と香りの環境にいる女性の気分もよくなるようです。

女性が男性に香水をプレゼントする時、男性が香水を購入する時、声で商品を選ぶのも楽しそうですね。

第79回 歯磨きとブグブクうがい

あなたがお使いの練り歯磨きにも多分、『ラウリル硫酸Na』が含まれていると思います。これは泡立ちをよくするための成分ですが、皮膚刺激があるため、洗顔料やシャンプーではほとんど使用されていません。

安全性の高い発泡剤はたくさんありますが、味の面でどうしても『ラウリル硫酸Na』を使わなければならないのが現状です。とにかくブクブクうがいをしっかりすることを心がけてください。

ある人気テレビ番組で歯科医が『フッ素や殺菌剤が配合されている歯磨きは、せっかくの成分がもったいないので、あまりすすがない方がいい』と言っていましたが、けっして実行しないでください。

第80回 洗顔石けんの泡立て方

洗顔石けんをうまく泡立てることができていますか?

ポーラの調査では、固形石けんの使用者の約7割が『泡立てが不十分』という結果になっています。

『泡立てが不十分』だと洗浄成分が肌に多く接触してしまいます。また、泡立てが苦手な人は、泡立ちをよくしようと石けんを多く使用する傾向があり、気づかないうちに肌に負担をかけている可能性があります。

『泡立てが十分』とは、ぬれた手で石けんを5〜6回転がして泡立てた時、片手全体に泡がふんわりのるレベルです。具体的な泡立ての方法は次回メルマガにて。

第81回 洗顔石けんの泡立て方 2

1.手をぬらし、手のひらの中で石けんを5〜6回ころがす

2.少量の水を指先からたらし、石けん分を泡立てる(水はこまめに加える)

3.泡ができた手のひらをくぼませて、メレンゲをつくるように空気を巻き込ませる

4.片手全体に泡がふんわりのるレベルでOK

まずはこれができるように練習してみてください。次回メルマガではネットを使った泡立て方法をご紹介します。

第82回 洗顔石けんの泡立て方 3

泡立てネットを使用する場合、石けんをネットで直接こするのはNGです。泡立ちはよくなりますが、ネットで過剰に石けんをこすり取ってしまい、肌に接触する洗浄成分の濃度が高くなります。

石けんは必ずぬれた手のひらで転がして、手に取った石けん分をネットにうつして泡立てるようにしてください。

同じ洗顔石けんで、赤みやカユミなどがでたりでなかったりする方は、石けんの使用量と泡立てのレベルをチェックしてみてください。泡立てが上手くなると、石けんのもちもよくなりますよ。

第83回 洗った手で化粧品を使っていますか?

『化粧品を使用する前に手を洗う人…24%』という調査報告があります。

オールインワンジェルやクリームなど、指が直接中身に触れるタイプの商品では、指が汚れていると雑菌が中身にうつってしまいます。これを毎日繰り返すと化粧品の防腐力を越えてしまうこともあります。

最近の化粧品は防腐剤を極力減らす傾向があるので、化粧品を使用する前には手を洗うように心がけてください。

『多めに取ってしまった中身を戻す…64%』

これは絶対にやめましょう!

第84回 化粧品の使用期限

化粧品の使用期限は原則として未開封で3年です(3年より短いものはパッケージ等に表記されています)。

ただし、製品の劣化は時間とともにすすんでいきます。化粧品はスキンケア効果だけでなく使用感を楽しむものなので、製造後1年以上もたっているものを使用するのは、あまりおすすめできません。

一般の方が製品の劣化のレベルをチェックするのは難しいので、直感的に『売れてなさそうだな〜』と思う商品は購入しない方が無難です。また、開封後は2〜3ヶ月以内で使い切ることを心がけてください。

第85回 香水の試し方

お店で香水を選ぶ時には、テスターをムエット(紙)につけて試してください。小瓶に綿を入れたタイプのテスターでは、第一印象を決めるトップノートを確認することができません。

また、何種類も試していると嗅覚がマヒして、嗅ぎ分けがうまくできなくなることがありませんか?

香水の嗅ぎ分け方のコツは、香りを鼻で吸って鼻から出すことです。鼻の奥に香りを送り込んだら呼吸を止め、口からではなく鼻から出し切るようにすると、嗅覚がマヒしにくくなります。

第86回 香水の試し方 2

香りはじめのトップノートで気に入った香水があれば、ムエットで香りを1日楽しんでみてください。

天然香料を多く使用した香水は時間とともに香りが変化します。一方、合成香料がメインの香水は香りの変化が比較的少ないのが特長です。どちらにしても自分がつける香りをしっかり知ることが大切なのです。

好きな香水がみつかったら、今度は手首など直接肌につけて、香りと1日付き合ってみてください。肌で試すと印象が変わるのが分かると思います。

第87回 香水の試し方 3

女性は月経周期によって嗅覚の感度が変わるので、香水は月経前、月経時、月経後、それぞれのタイミングで試してみることをおすすめします。

特に月経前は揮発性の高い、つまり香り立ちのよい香りに対して感度が高くなります。この時期に試して心地よい香水が見つかれば、PMS(月経前症候群)の改善にも役立つはずです。

ペパーミントの香りが月経前の眠気による作業ミスを減らすという研究報告もあります。

第88回 シリコンとシリコーン

紫外線防止の化粧下地やシャンプーなどによく使用されているシリコン…正しくはシリコン(ケイ素)ではなくシリコーン(人工高分子)です。

シリコーンは水をはじく保護膜をつくります。そのイメージからネットなどでは『皮膚呼吸をさまたげる』と攻撃されることもありますが、シリコーンは酸素も水蒸気も透過させるので安心してください。

そもそも皮膚呼吸という言葉自体いかがわしいのですが(第39〜41回)、シリコンとシリコーンの言葉の使い分けができてない販売会社にかぎって、間違った情報を発信していることが多いので注意してください。

第89回 シリコンとシリコーン 2

シリコーンをシャンプーやトリートメントに配合すると、指どおりがよくなり、洗い流しても髪に残るので、洗い上がりがしっとり落ちつきます。

ただ、シリコーンが毎日髪に付着していくとスタイリングがしにくくなります(ストレートヘアの方は問題ありません)。また、カラーリングやパーマのかかり方も悪くなります。

洗浄が目的のシャンプーには本質的にシリコーンは不要だと思いますが、シリコーン配合の商品が増えて、消費者もこの使用感に慣れてしまっています。この辺はわれわれ化粧品技術者の課題ですね。

第90回 梅雨と髪

毎年、梅雨時期になると、髪がボワッと広がったり、逆にボリュームがでなったりしませんか?

これは髪のダメージによるもので、キューティクルが剥がれている部分に空気中の湿気が入り込み、髪が膨張してうねってしまうのです。髪にコシがない人は吸収した水分の重さでぺたんとなります。

髪のダメージを防ぐにはシャンプーやドライヤーの使い方が大切ですが(第58〜60回)、ボワッと、ぺたんとなった時の応急処置としては、水分と皮脂を髪全体に広げるようにやさしくブラッシングしてみてください。

第91回 梅雨と髪 2

梅雨の湿気で髪がボワッと広がる方は、シャンプー後、タオルドライした髪にオイル系の洗い流さないトリートメントを試してみてください。翌朝のスタイリングもしやすくなります。

逆に髪がぺたんとなる方にはオイル系の洗い流さないトリートメントはNGです。このタイプの方は髪の毛の量が少ないので、ドライヤーで乾かす時に根元を立ち上げてボリューム感をだしておくのがポイントです。

5〜8月は一年で紫外線がもっとも強い時期なので、髪のダメージを防ぐためにもなるべく紫外線にあたらないようにして、手強い梅雨に備えてください。

第92回 枝毛

実際に枝毛なった長さ30cm女性の髪についてキューティクルの枚数を観察したところ、枝毛になった髪でも根元部分のキューティクルの枚数は7枚で、健康毛と変わりがないという研究報告があります。

しかし根元から毛先にいくにしたがってキューティクルの枚数は減り、枝毛部分では0枚になります。髪が30cmになるまでは約2〜3年はかかるので、損傷が蓄積して枝毛がおきていることがよく分かります。

化粧品で枝毛をコートしても修復は不可能です。特にパーマやヘアカラーをしている人は、日々のシャンプーやドライヤーの使い方(第58〜60回)に気をつけてください。

第93回 おためしブーム

オークション検索・比較サイトの運営会社の調査によると、オークションにおける『試供品』の落札数が昨年同時期より125%アップで、その中でも化粧品の試供品の取引が多いようです。

実際にyahoo!オークションで検索してみると、『化粧品・メイクアップ』のカテゴリーで『試供品』で400件以上、『サンプル』では4000件以上も表示されました。

ただ、化粧品のサンプルは容器にコストがかけられないので、商品より安定性が悪い場合があります。入札の前には出品者に『いつ頃入手されましたか?』と質問されることをおすすめします(第84回参照)。

第94回 二枚爪

爪は毛髪と同じく吸湿も乾燥もしやすく、その水分量は環境によって5〜24%まで変動します。爪の先端部分は皮膚と接触している部分よりも水分の補給を受けにくいため、二枚爪がおこりやすくなります。

もともと爪が薄い方、水仕事が多い方は、二枚爪がなかなか治りにくいと思いますが、こまめにオイルを塗って、爪の過乾燥(第49回参照)を防いでください。

また、爪切りの使用は二枚爪の原因になるので、専用の爪ヤスリを使うようにしてください。爪ヤスリの往復がけも二枚爪の原因になるので、一方向にやさしくかけるようにしてください。

第95回 男性用化粧品

男性用化粧品が好調です。市場規模はフェイシャルスキンケアだけでも250億円にもなるといわれています。美容家電でもパナソニックが男性向けの商品を本格的に展開しはじめています。

一昔前は『べたつきをなくす』『爽快感』のニーズが強かったのですが、ある大手化粧品会社の2008年の調査によると、男性の6割が『保湿』『うるおい』を重視していることが分かりました。

6月21日の父の日には化粧品のプレゼントはいかがでしょうか。この季節なら保湿ジェルとか気持ちよく使えると思いますよ。

第96回 男性用化粧品 2

男性のお手入れで許せないのはファンデーション…10〜20歳代の女性を対象としたある調査で、ダントツの1位です(第2位コンパクトミラーの常備、第3位まゆ毛のお手入れ)。

ビジネスシーンでのメンズメイクの提案もあるようですが、相手の印象をよくするのは、なんといっても清潔感です。相手を不快にさせない心配りには、お金はかからないものです。

それができた上でのさりげないメンズメイクなら、きっと女性にも受け入れられるのではないでしょうか。

第97回 紫外線対策

梅雨があけて本格的な夏がくる前に紫外線対策のおさらいをしておきましょう。

紫外線のうち、地表にとどくものは主にUV-BとUV-Aです。UV-Bは肌に炎症をおこし、シミを濃くさせてしまいます。UV-Aは肌の奥の真皮層まで到達し、シワやたるみの原因になります。

日焼け止め剤に表示されているSPFはUV−Bを、PAはUV-Aをブロックする効果を示したものです。UV-Aはガラスを透過して部屋の中まで入りこんできますので、商品選びにはPAもチェックしてください。

屋外に出かけるときにはSPF30以上、PA++以上が目安です(屋内はそれ以下でもOK)。ただし、SPFとPAはあくまでも目安で、実際の効果は低くなることが多いので、こまめに塗り直すことが大切です。

第98回 紫外線対策 2

日焼け止め剤には紫外線反射剤と紫外線吸収剤が配合されます。

紫外線反射剤はUV-BとUV-Aをブロックするもので、表示名称は酸化チタン、酸化亜鉛などになります。

紫外線吸収剤はUV-Bを吸収するもので、SPFが高い商品に配合されています。表示名称は○○メトキシケイ皮酸○○、t-ブチルメトキシジベンゾイルメタン、オキシベンゾンー○などです。

紫外線吸収剤フリーの処方をノンケミカルといって安全性をアピールしている商品がありますが、メインで配合している紫外線反射剤が毛穴につまって、トラブルをおこすケースも少なくはありません。

第99回 紫外線対策 3

紫外線反射剤は非常に細かい粉で、これが製品中できれいに混ざっていないと、肌に塗った時にムラができて紫外線ブロックの効果がおちます。

製品では紫外線反射剤をきれいに混ぜるためにシリコーンが使われます。シリコーンは水で洗い流すことができないので、日焼け止め剤の使用後はきちんとクレンジングすることが大切なのです。

水で洗い流せるノンシリコーンの日焼け止め剤は、紫外線反射剤がきれいに混ざっているとは考えにくいので、効果は???です。

また、シリコーン配合の日焼け止め剤でも、去年の夏の残りとかは使わないでください。紫外線反射剤が不均一になっていますし、安全性の面でもNGです(第84回参照)。

第100回 I Love コスメ

皆様の応援のおかげで、本メルマガも100回目を迎えることができました。本当にありがとうございます!

私は化粧品が大好きです。新しい商品に出会った時のワクワク、初めて使う時のドキドキ…女の子だったら絶対にコスメフリークになっていたと思います。

ただ、この業界には女性をワクワクさせるためにウソをつく人がいます。大好きな化粧品が女性を裏切るものであってはならない。そんな想いで私はこのメルマガを書き続けています。

他の商品を非難したり、自信たっぷりに効果を保証したり…きれいな広告でもウソをつくと言葉遣いにでるものです。商品選びの時に『ちょっと品がないな〜』と感じたら、その直感を大事にしてください。

第101回 ワンコインコスメ

生協が今年9月より500円(税込)で購入できる化粧水、乳液、クリームを発売します。「経済的ゆとりのない」という30代の子育て世代の声を反映し…いかにも生協らしい割り切りです。

だいたいの原価と処方の内容が想像つくので、スキンケア効果はそこそこだと思います(ドラッグストアで販売されている1,000円前後の商品と遜色はないでしょう)。

ワンコインコスメに超高級化粧品(第51回)…選択肢が増えるのは悪いことではありませんが、極端な価格戦略には「たくさんの女性を本当にキレイにしたい」という本気モードがあまり感じられません。

第102回 夏の入浴後のスキンケア

暑くなると入浴後に汗がなかなかひかないので、冷房のきいた部屋で涼んでからスキンケアをする方も多いと思いますが、これは肌にとって過酷な状況なのです。

入浴で角質がふやけた肌は水分が逃げやすく、湿度が40%以下にもなる冷房環境下では、肌の過乾燥(第49回)が一気に進んでしまいます。

とは言え、汗ダラダラではまともにスキンケアができないので、入浴後にはさっぱりタイプの化粧水で肌にうるおいをあたえながら涼んで、汗が完全にひく前にきちんとスキンケアをおこなってください。

第103回 オーガニック化粧品

オーガニック製品のマーケットは世界的に拡大しており、日本でも『○○機関認定オーガニック原料使用』とアピールする化粧品がでてきました。

ただ、この『○○機関認定オーガニック原料使用』がくせ者で、もしこの原料が製品中に1%しか配合されてなかったらがっかりしませんか?

本当にオーガニックを求める方は、一部の原料だけでなく製品そのものがオーガニック認定されている商品を探してみてください。製品としてのオーガニック認定はハードルが高いので、意外と少ないですよ。

第104回 オーガニック化粧品 2

イギリスの食品基準庁の調査で、有機栽培でつくられた食品と一般の栽培方法でつくられた食品とでは、ビタミンCやカルシウムなどの主要10栄養素に大きな違いがないことが分かりました。

これを聞いてがっかりする方もいらっしゃるかもしれませんが、化粧品でもオーガニックだからといってスキンケア効果や安全性に優れるという訳ではありません。

オーガニック素材のもつ味や香りは、人間と自然をよりつながりやすくしてくれ、それをいただくことへの感謝を深めてくれます。

感じて楽しむ。それがオーガニック化粧品のおすすめの使い方です。

第105回 ブラジルコスメ

ブラジルの美容マーケットの規模は、アメリカ、日本に次いで世界第3位で、豊富な自然資源を利用した製品の研究開発が成長の原動力になっています。

地場企業で有名なのが「ナチューラ」です。いわゆるナチュラルコスメですが、ブラジルのパッションフルーツやアマゾン原産の植物をふんだんに使用していることが大きな特長です。

また「イコヴェ」はオーガニック認証をうけたブラジルコスメを日本でも展開しています。ネットでも購入できるので、興味のある方はチェックしてみてください。

第106回 コスメシューティカル

コスメシューティカルとは、化粧品のコスメティクスと製薬のファーマシューティカルをあわせた造語で、効能効果が検証された化粧品や有効成分をそう呼びます。

国や地域によって化粧品(日本では医薬部外品)で認められている効能効果は違いますので、研究や商品開発もそのジャンルが強くなる傾向があります。

美白、シミなら日本。このジャンルは世界一だと思います。シワ、たるみはやはりヨーロッパに分があります。国内でも化粧品の効能効果の範囲が広がれば、もっと面白い商品が出てくると思います。

第107回 NOATOクリーム販売業者逮捕

作用が強力なステロイドが入った化粧品を輸入・販売したとして、ラバンナ(現イエス・オーケー)の元社長、南原貴裕容疑者ら男女5人が、19日に薬事法違反の疑いで逮捕されました。

NOATOクリーム回収(第5回メルマガ)
http://www.just.st/index.php?tn=index&in=306829&pan=189

南原容疑者は「ステロイドが含まれていたことは知らなかった」と容疑を否認しているようです。商品の販売停止、回収命令の行政処分から1年後の逮捕…警察はいったい何をしていたのでしょうか?

確信犯であろうと過失であろうと、アトピーで悩む人の身体だけでなく、心も傷つけてしまったのです。この痛みがが分からない人間に化粧品を販売する資格はありません。

第108回 資生堂の新スキンケアシステム

10/21に資生堂より「リバイタル グラナス プラチナムシステム」が発売されます(リンクはPCサイト)。
http://release.nikkei.co.jp/detail.cfm?relID=228892&lindID=4

「開発2年」「のべ700人の肌を検証」「14日間集中プログラム」…と、かなり気合いが入っています。

セットの内容はエッセンス、デークリーム、ナイトクリーム、ゲル、マスクで、3日に1度ゲルとマスクを使用します。ポイントはこのゲルで、いわゆるケミカルピーリングの効果が期待できます。

セルフで使用するものには効果と安全性のバランスが求められますが、資生堂がどれだけ効果にチャレンジしてるのか非常に興味があります。

第109回 本当の界面活性剤講座

ネットや書籍などで、なにかと悪者扱いされる界面活性剤…これらエセ科学の情報よりも真実は地味で退屈かもしれませんが、メルマガ会員の皆さんには『本物の目利き』ができるようになってほしいと思います。

コップの中に水と油を入れると、水の上に油が浮きます。ですが、ここに界面活性剤を入れると水と油の境目がなくなり、全体が白く濁ります。これが化粧品の乳液やクリームの基本型です。

別れようとしてる男女(水と油)と、それを仲裁する共通の友人(界面活性剤)。

界面活性剤には『水になじみやすい部分』と『油になじみやすい部分』があるから、本来、混ざることのない水と油が混ざり合うのです。

第110回 本当の界面活性剤講座 2

白地に黒の水玉模様をイメージしてください。白は水、黒は油。そしてこの水玉模様の状態を維持しているのが界面活性剤です。この界面活性剤の機能が化粧品にたくさん応用されています。

まずはスキンケア。スキンケアの基本は肌に水分と油分を供給することです。界面活性剤によって水玉模様の状態になった乳液やクリームは、油が肌に直接触れないので、べたつきがなく使用感がよいのです。

そして洗浄。石けんもシャンプーも、油と界面活性剤が汚れを取りこみます。水で洗い流しても水玉模様はくずれないので、再び汚れが付着することはありません。クレンジングも同じ原理を利用しています。

第111回 本当の界面活性剤講座 3

専門的になりますが、界面活性剤が肌に刺激をおこす条件は次のとおりです。

1)水の中でイオン化して肌に吸着しやすい

2)脱脂力が強い

3)分子量が小さく肌に浸透しやすい

一般の方にはさっぱりわかりませんよね…でも、これが事実です。本当に安全な商品であれば、こういった内容がきちんと検証されているはずです。

単純なキャッチコピーでは商品の安全性を判断することはできません。『天然だから安全』とうたっている石けんでも、肌に刺激をおこす1〜3の条件にあてはまるケースもあるのですから。

第112回 本当の界面活性剤講座 4

我々、化粧品技術者にとって界面活性剤は危険な原料ではありません。なぜなら、安全性のレベルと使い方を分かっているからです。

ただし、界面活性剤には脂分を溶かすという働きがある以上、肌のコンディションが悪い時や、使い方を間違えたりすると、一時的に刺激を感じる場合があります。

洗浄系の商品で刺激を感じる場合は、使い方で使用量を減らすのもおすすめです(第58回、第80〜82回参照)。また、顔で刺激を感じる時は頭髪でもトラブルがおこりやすいので気をつけてください。

第113回 本当の界面活性剤講座 5

私はアトピー肌のような方にも、安易にノン界面活性剤の商品をすすめたりしません。刺激がおこりにくい商品を選ぶ場合には、ヒトでの安全性試験をおこなっていることを重視してください。

ヒトでの安全性試験には、1回の使用を想定したパッチテスト、連続使用を想定した皮膚累積刺激性試験、皮膚感作性試験があります。また敏感肌を想定したスティンギングテスト(第74回)もあります。

安全性試験はお金がかかりますし、広告でアピールできないルールもあります。だからこそ、きちんと取り組んでいる企業は本物なのです。こと安全性については、『口の上手い』企業は『?』です。

第114回 淘宝網

中国のネットショッピング市場は2010年には日本を抜いてアジア太平洋地区でNo.1になると言われていますが、なんと、その8割の売上高を占めているショッピングサイトが『淘宝網(タオバオワン)』です。

いわゆる楽天のようなサイトですが、2009年上半期の登録会員数は1億4,500万人をこえています。化粧品カテゴリーでは欧米や日本のブランドがよく検索され、売れているようです。

仮にコピー商品を購入した場合、購入価格の3倍の賠償金が与えられ、それを出品した店は永久追放になります。中国製のコピー商品が多いのも事実ですが、日本でもこういったシステムを参考にして欲しいですね。

第115回 コラーゲン飲料がブームですが…

最近、コラーゲン飲料の広告をよくみかけます。トップは資生堂の「ザ・コラーゲン」で、2008年度の売上は100億円、今期は2割増が予測されています。

空気が乾燥する冬場に向けて、うるおい対策で飲まれる方も多いと思いますが、コラーゲンの摂取は肌のうるおいよりもハリに関係しています(逆に化粧品でのコラーゲンの効果はハリではなくうるおいです)。

うるおい対策であればセラミド配合のサプリメントをおすすめします(第18〜20回参照)。「ザ・コラーゲン」にもセラミドが配合されています。やはりバランスのいい商品ですね。

第116回 この冬の乾燥対策

まだ冬になっていないのに、すでに肌が乾燥しはじめている…そんな方は洗うことを見直してみてください。

冬のスキンケアで最も大切なのは肌のバリア機能の維持です。皮脂や汗の分泌が多い夏と同じ感覚で顔や体を洗っていると、いくら美容液やクリームで補っても肌のバリア機能は低下してしまいます。

少ない量の洗顔料でも泡立て上手になる、シャンプー前にはお湯だけで汚れを落としシャンプーの量を減らす、一定量のボディソープでやさしく洗う…この冬は洗うアイテムの使用量を意識してみてください。

第117回 化粧と脳活動

カネボウ化粧品と脳科学者の茂木健一郎氏との共同プロジェクトで、面白い研究結果が報告されています。

素顔の時に化粧をした自分の画像を見ると、脳は他人の顔を見た時と同じような認識をしますが、実際に化粧をして外部とコミュニケーションをとると、脳は化粧をした顔を自分の顔として認識するようになります。

化粧をするだけで脳は無意識のうちにコミュニケーションする体制を整えてくれているのです。ハッピーな一日をすごしている自分をイメージしながら化粧をすると、さらにいいことがおこるかもしれませんね。

第118回 秋田美人

11月8日の『いい肌の日』にちなんで、ユニリーバ・ジャパンが『肌美人の多いイメージの県』について調査をしたところ、秋田が50%以上を獲得するダントツ1位に選ばれました。

秋田経済新聞
http://akita.keizai.biz/m/headline.php?id=787

秋田の女性の肌の美しさについては、白色度が日本人の平均より高いとの報告もあり、それは日照時間の少なさと冬場の湿度の高さによってもたらされているのではと考えられています。

やはり紫外線と乾燥対策はスキンケアの基本ですね。この冬は肌のためにも加湿器の使い方を工夫してみられてはいかがでしょうか?(第52回参照)

第119回 唇の横じわ

唇の縦じわでお悩みの女性も多いと思いますが、資生堂の研究で唇の横じわも年齢とともに増えることが確認されています。

見た目のしわを印象づける縦じわに比べて、これまで横じわは注目されていませんでしたが、唇の美しさに影響していることが新たに分かりました。

縦じわ、横じわを目立たなくさせる口紅が来年1月にクレ・ド・ポー ボーテ(資生堂)より発売されますが、これから口紅を購入される方は、横じわも意識して試してみてください。

第120回 冬場の毛穴ケア

毛穴の目立ち方は年代によって傾向が違います。10〜30代では毛穴に詰まった角栓によるものが多く、40代では毛穴の変形(たるみ方向に楕円になる)によって目立ちやすくなります。

角栓の3割は皮脂なので、気温の低い冬場は詰まりやすくなります。角栓タイプの毛穴でお悩みの方は、入浴中に蒸しタオルなどで温めて毛穴を開いた後に洗顔するのが効果的です。

一方、変形タイプの方は一般的に角栓が少ないので、過剰な洗浄を避けて十分な保湿を心がけてください。表皮をふっくらさせると毛穴も目立ちにくくなります(第71回参照)。

第121回 資生堂のCM

1961年から1999年までの資生堂のCF集DVD『資生堂のCM』が2ヶ月連続で発売されます(vol.1は11/25、vol.2は12/16発売)。

さっそくvol.1をみましたが、映像なのでその時代の空気が生々しく伝わってきます。時代を創る遺伝子が脈々と受け継がれていて、最近でも資生堂が本気モードになっているCMはゾクっとします。

銀座のHOUSE OF SHISEIDOには創業(明治5年)からの資生堂の歴史的資料が展示されています。美を提供する仕事をされている方なら、一度は触れてほしい哲学がそこにあります。

第122回 気温とバリア機能

ポーラ化成工業と自然科学研究機構岡崎統合バイオサイエンスセンターの共同研究により、表皮で温度を感知するタンパク質の活性化が、皮膚のバリア機能に影響していることが確認されました。

簡単に言えば、低い気温ではバリア機能が低下して皮膚の水分が失われやすくなり、肌あれがおこりやすくなるということです(体温付近のあたたかい温度ではバリア機能がよくなります)。

低温低湿の冬は肌に過酷な季節であることは確かですが、秋田美人(第118回)のケースを考えると、肌のコンディションには温度よりも湿度の影響が大きいような気がします。

第123回 フケ

20代の女性を対象にしたある意識調査によると、フケがある男性のイメージのトップが『不潔』で、60%の女性がフケのある男性とは『できれば関わりたくない』と回答しています。

本当に不潔な人なら仕方ありませんが、毎日シャンプーしてもフケが止まらず、頭皮にかゆみや赤みがある方は、脂漏性皮膚炎の可能性があるので、一度病院で診てもらうことをおすすめします。

フケは頭皮が剥がれ落ちたもので、ターンオーバーが速くなることで増えます。冬のフケの量は夏の2倍にもなるという報告もあり、頭皮の乾燥がフケの発生の大きな要因であると考えられます。

第124回 フケ 2

『頭皮が脂っぽい』とかよく聞いたりしますが、頭皮は額に比べて皮脂量も水分量も少ないことが分かっています。だから乾燥しやすく、剥がれた角質がフケとして目立ってしまうのです。

フケでお悩みの方はシャンプー前にブラッシングをして、頭皮の汚れやフケを浮き立たせ、お湯だけで十分に予備洗いした後にシャンプーをすることをおすすめします。

また、ドライヤーの熱も頭皮を乾燥させやすいので、タオルドライ後は冷風をうまく使ってください。ただし、濡れたままは髪のダメージの原因になるので気をつけてください(第59回参照)。